ベトナムにおける個人所得税

ベトナムで働く外国人にとって、個人所得税personal income tax (PIT)の適用を受けるということは、いくつもの規定を解釈することから始まる。すなわち、外国人はその適用範囲と節税の可能性を正確に見積もらないといけない。

ベトナム国内の税金に関する専門家に相談することは、個人個人の課税額を把握するのには役立つかもしれません。一方で、雇用主はよりよい条件で給料を提示できる可能性もあります。ベトナムにおける個人所得税の原則をご案内させていただいたうえで、所得税における免税や扶養家族の減税についてご説明させていただきます。(従業員としての報酬はPITの対象外です。)

在留資格と所得税債務

ベトナムの個人所得税法Law on Personal Income Tax は、所得を減税、税率とそれに関する例外に関して10種類にわけます。

税務上の居住者とは、ベトナムに入国してから暦年もしくは連続した12か月間に183日以上の滞在者を示します。

居住者は世界中で得た雇用所得から(支払われたかどうかに関わらず)累進税率で5パーセントから最大35パーセントの税金を払う必要があります。非居住者はベトナムでの所得のうち20パーセントの固定税率で支払いを行います。

一般的に、ベトナムでの毎月の給料には額面収入と必須となる社会保障が全て含まれています。所得税は社会保障費を除いたうえで、計算しないといけません。企業は従業員のために、前年の収入を基に年初に、所得税の最終報告を行います。

非課税所得

ベトナム税務局はPITから免除できるいくつかの所得に関して記述しています。

  • 1つの住宅または土地の所有者が移転に伴い得た収入
  • 銀行預金や生命保険から得た利益
  • 海外送金、退職金、奨学金
  • 慈善基金または保険金
  • 夜勤手当または残業手当
  • 政府または非政府の海外慈善団体から適切な組織の承認を得て人道的な目的で得た手当

納税者は課税収入から毎月US$388 (VND9,000,000)または毎年US$4,700 (VND108,000,000)控除することができます。毎月収入があるかどうかにかかわらず1年間の合計額は同じになります。

免税

ベトナムにおいて、外国人は雇用報酬として一部免税を受けることができます。免税に該当するのは以下の通りです:

  • 外国人としてベトナムに赴任する際の一時手当
  • 年一回一時帰国する際に雇用主から支払われる往復航空券代金
  • ベトナムにおいて雇用主によって支払われる駐在員の子供が通う一般教育費用および学費

加えて、ある条件を満たせば非課税として扱われます。

  • 課税対象となる全収入の15%を超える住宅費用(雇用主から支払われる住宅費用は除く)
  • 従業員に支払うための通勤費用
  • 社命もしくは従業員の仕事に関わるトレーニング費用
  • 雇用主が従業員に用意した場合の食事代金
  • ある程度の規則の範囲であれば、電話代金、文具、日当、作業着等を含む推定支出は、税金の対象にはなりません。

扶養家族に関する減税

それぞれの扶養家族に関する減税範囲は月間US$155 (VND 3,600,000)と定められています。扶養家族は18歳未満の子供もしくは18歳以上で月間US$21 (VND 500,000) 未満の収入の子供が対象となります。加えて、配偶者もしくは納税者の親で働いていないもしくは収入の少ない方も対象となります。

それぞれの扶養家族につき一人が申請できます。扶養手当は自動では付与されませんので、納税者は対象となる扶養家族を登録して、税務局に書類を提出する必要があります。

納税

従業員のために外資系企業Foreign invested enterprises (FIEs) は前年の収入を基に年初に、所得税の最終報告を行う必要があります。

もし従業員が複数の収入減をもち、自ら申告を行う場合、企業は要望に応じて税金控除を発行できます。駐在員のベトナムでの労働契約が年末になる前に失効してしまう場合は、帰国前に確定申告が必要になります。

納税者は現金または口座振替のいずれかの方法で税務署に支払います。納税者は役所からのバウチャーを受け取ることにより、直接現金で税務署に支払うことができます。もしくは税務署の銀行口座に直接送金することもできます。税金の支払期限は確定申告の期限と同じ年末から数えて90日前までになります。

課税所得の振替

課税所得を外貨で受け取る場合、収入を得た日時でのベトナム国家銀行が発行する銀行間取引外貨為替レートにおけるベトナムドンを適用します。