ベトナム駐在員の個人所得税を理解する

ベトナムにおける税金の仕組みを理解することは駐在員にとって複雑で理解に苦しむことがあります。それは外国人にとって、給料やその他に関する個人所得税の規定に関する技術的な知識が不足しているからに他なりません。

個人所得税(PIT)とは

「個人所得」とはある一定の期間における給料や投資やその他を含む個人のすべての収入を指す一方で、個人所得税はその給料やその他の収入源の一部をベトナム政府に支払うことを示します。

個人所得税に該当する「個人所得」に関していくつか例を挙げると:給料もしくは毎月の収入、相続、営業販売権収入、不動産売却益、資本移転、資本投資、版権や褒章、支払われた場所に関わらずベトナム内外で得た課税所得を示します。

居住者か非居住者か

外国籍の居住状況により、個人所得税の計算方法は個人の収入状況により根本的に異なります。

外国籍にとって「納税者」とは以下の条件のうちいずれか1つに該当する場合を指します。

• ベトナムに入国してから暦年もしくは連続した12か月間に183日以上の滞在
• 一時/永住権カードにベトナム永住者として登録
• 183日以上の賃貸契約

上記の項目に該当しない場合はベトナムでは納税対象者にはなりません。それでも、他の国で納税者と認められない場合、ベトナムで納税義務が生じる場合もあるので注意が必要です。

課税所得

課税所得とは、対象者がベトナムでの納税者か非納税者かに関わらず、個人所得税の計算に準じるので、それが何を指し示すか理解することが重要です。

納税居住者にとって、課税所得とは所得がどこで払われて受け取られたかに関わらず、世界中の全ての収入が対象となります。非納税居住者にとっては、どこで受け取ったかではなく、ベトナムで行った業務から得た収入全てを指します。すなわち、外国籍の方がベトナムでの契約の元で行った業務について、他の諸外国で利益得た場合、それらはベトナムの個人所得税の対象になります(いくつかの例外を除く)。これはよくある間違えで、プロジェクトやIT業界で働くフリーコンサルタントや専門家の間で、オンラインメディアで話題になります。この記事では政府が税制の中でこの問題をどのように熱心に追行しているのかご紹介します。

個人所得税の計算

月ごとの課税所得とは基本的には月ごとの個人の給料が該当します。そのうち居住者は5%から35%が累進課税として、非居住者は20%が固定で対象となります。

サービス契約

多くの人はベトナムで短期間でサービス契約を行いますが、労働契約ではないので、PITが累進的にかかるわけではありません。代わりに、月間でVND2,000,000を超える支払については課税居住者には10% PITが支払元の企業より差し引かれます。

年末にはこの収入の全てが1年分合計、累進課税としてPITには総合計として対象となりますが、すでに支払われた10%は免除されます。

不足分については確定申告の際に税務局に支払う必要があるでしょう。

ベトナムでのPIT計算は上記の原則に基づいて計算することはできるでしょう。また、支払うべき概算金額をオンラインサイトで調べることもできます。

非課税となる所得

課税所得の定義は広いですが、免税となる事柄もいくつかあります。

• 1年に1回の駐在員の往復航空券代金または外国で働くベトナム国籍の帰省

• 駐在員もしくは外国で働くベトナム人の子供の教育費用(高等教育を除く)

• 業務中の食事(現金での支払いと上限あり)

• ベトナムに赴任する際もしくはベトナム人が外国で働く際の一時手当

• 作業着(現金での支払いと上限あり)

• グループでの福利厚生(個人は対象外)

• 冠婚葬祭費用手当

加えて、以下の所得に関しては対象外です。

• 銀行や証券会社での預金から得た利益

• 保険から得た収入

• 社会保険から支払われる年金

• 直系家族からの資産相続

• 任意保険からの毎月の年金

• カジノで得た収入

課税年度と確定申告

外国籍 はそれぞれの国で基準となる課税年度が対象となります。雇用者は従業員の給料から毎月もしくは四半期ごとにPITを差し引く必要があります。(企業の規模にもよります。)

他の税金に対しては源泉(配当)または事柄に応じた自己申告にて支払が必要になります。

課税年度の最終日から数えて90日前までに、それぞれの個人が確定申告をするかどうかを決めます。

該当する年においてその個人が一人の雇用主から収入を得るのであれば、その雇用主が代わりに確定申告をすることができます。非居住者に関しては、給与所得からPITを確定する必要はないです。

個人で翌年以降の税金還付・控除もしく納税債務を受けるのであれば、課税年度の最終日から90日以内に確定申告をする必要があります。

単純な税金申告もしくは納税義務を負う必要がないのであれば、確定申告は必要ありません。しかしながら、翌年以降に納税義務が複雑になる可能性がありますので、多くの納税者は毎年確定申告をした方がよろしいかと思います。

公的文書と明確化

公的文書は税務署の解釈とをベトナム税法に関してベトナムの納税者に向けた案内を示した書類です。

2019年1月21日にHDTは外国籍の従業員を対象にPITに関する案内を3228/CT-TTHT公的文書を発行しました。 

海外に親会社を持ち、ベトナムで長期にわたりその子会社で働き、ベトナムでは課税退所者となる外国籍の方々に対しては、全世界で得た収入がPITの対象となります。

その子会社はその外国籍の従業員に対するPIT納税に関して責任が生じます。海外の親会社から収入を得る場合は、その従業員は四半期ごとに所定の書面(02/KK-TNCN issued in Circular 92/2015/TT-BTC)にて自己申告する必要があります。

課税居住者としてみなされる場合は、PITに関してそれぞれが確定申告する必要があります。全ての所得がベトナムの子会社から得るのであれば、その子会社が代わりに確定申告することができますが、親会社と子会社の両方から収入を得る場合はPITに関しては自己申告が必要になります。

租税協定

租税協定とは納税者が同じ課税項目に対して、ベトナムと他の諸外国での二重払いを防ぐためのものです。

ある資産勘定の元に行われるベトナムでの税金の軽減は自動では行われません。外国籍の納税者は、二重払いを防ぐためにベトナム税務局に納税日の締め切り15日前までに通知書を提出する必要があります。

納税から3年以内であれば申告することができますが、事後通告として扱われます。

資産勘定は次の目的があります。
• ベトナム以外の居住者に向けた税金の免除もしくは軽減 
• 諸外国で働くベトナム国籍のベトナムにおける税金控除
• 所得および資産に関する脱税から諸外国を守るため

ベトナム駐在員が知っておくべき20のルール

どんな国でも法律や規制はあります。その法律や規制は国の治安を守るためにあるのですが、しばしば解釈に困るものもあります。 ベトナム も例外ではありません。いくつかの法律は他国でも親和性がありますが、解釈に困るものもございます。

詳細をお伝えする前に、一つだけ特筆するべきことは、ベトナム社会は儒教でいう「アジア的な価値」を持ち、その考え方に基づいていくつかの法律も成り立っているということです。欧米人にとって奇妙なことは、アジア人にとっては普通であることもあります。そのことを念頭に置いて、ご案内します。

1. 自己登録?!

駐在員であろうと観光客であろうと、外国籍であれば、移住する際は地元警察に届け出る必要があります。観光客であれば、ホテル/ホステルが通常は代行してくれます(だからパスポートを提示する必要があります)。長期で滞在する駐在員であれば、大家さんが届け出る必要があります。なぜなら、その土地に住んでいることを申告する必要があるからです。

また、トラブルに巻き込まれることを避けるためでもあります。近所で外国人があなたしかいなかったなら、あなたはとても目立つ存在となるでしょう。

2. バイクの二人乗り

これは常識的だと思えるかもしれませんが、道を歩けば、4人の家族全員(それと飼い犬)でバイクに乗っている姿を目撃することでしょう。しかし、これはベトナムでも違法です。ベトナムの法律(と常識)では、バイクに2人以上で乗車するのは違法です。それに、車やバイクを路上で運転するには、他の国と同様に免許が必要です。

3. ファンキーボールには近づくな

亜酸化窒素(N2O)は産業用に取引や生産することが許されていますが、人的使用には許されていません、と水曜日に管轄省庁が発表しました。

政府は亜鉛化窒素の医療目的での禁止や制限をしているわけではありません。また、このガスを必要とする薬や医療に登録が必要ではありません。

亜酸化窒素は神経系に衝撃を与えることにより幸福感をもたらすことができるので、娯楽として用いられることもあります。

しかし過剰摂取は、記憶や睡眠の障害や身体にひりひりした感覚をもたらすことがあります。

現在のところ、亜酸化窒素は貿易工業省によって規制されている化学物質であり、麻酔薬として取り扱いされております。規制を超えた使用や販売は12-2500万ドン(515ドルから1070ドル)の罰金が科せられることがあります。

4. 働くには就業許可が必要です

一般的に信じられていることとはことなるかもしれませんが、観光ビザを用いて、ベトナムで働くのは法律上では違法です。外国籍であれば正式に就業許可を得る必要があり、最長でも2年になります。就業許可は通常、雇用主となる会社によって手配されます。申請するには、学位や会社推薦状、職務履歴や有効な健康診断書が必要です。

5. 開業許可をするには資金が必要です

もちろん全てのビジネスに通じますので、ベトナムでの新規ビジネス開業資金についてだけではありません。ベトナムの法律では、新規ビジネスを立ち上げるための許可を得るには銀行に少なくともUS$30,000の資金が必要になります。

多くの資金を必要としないスタートアップやオンラインショップにとっては大問題です。でも、それがベトナムでのやり方です。もちろん、登録前にビジネスを始めて資金を得てから支払う人もいますが、それも問題です。競合に見つけられて、トラブルに巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。

ビジネスを計画しているのであれば、ベトナムの法律に精通している弁護士に問い合わせてみることをお薦めします。もし可能であれば同じ領域でビジネス経験のある社長に話しかけてみてください。 

6. 家を購入することはできますが、土地は購入できません

立地のいいところで家や3階建てのマンションを建てて、ワインを飲んで人生を満喫するなんて夢をみたりしていませんか。ベトナムでは不可能です。

ベトナムの法律では、家を購入することはできますが、土地を購入することはできません。なので、家やマンションを購入することを夢見ることはできますが、土地を購入することはできないので借りないといけません。ベトナムでの土地の賃貸は最大50年になりますが、それ以降も金額が上がることもなく延期することができます。つまり、土地を借りる限り家を所有することはできますが、土地自体を買うことはできません。

7. 超過勤務は違法です

2013年に導入されたベトナム労働基準法によると、正式には週に48時間以上働くことが禁じられています。すなわち1日当たり8時間までで、毎日働かないとすると1日当たり10時間までと決められています。もし今、平日の夜8時に会社のデスクトップでこの記事を読んでいるのであれば違法である可能性が高いです。なので今すぐ家に帰りなさい。

8. 飲酒は18歳以上

ベトナムでははっきりと飲酒は18歳からと規定されています。

9. 使用期間を確認してください

仕事に関して言うと、もし新しい仕事を始めるのであれば、あなたの使用期間が専門職である場合は30日、大学レベルかそれ以上の職務であれば60日、それ以外のケースは6日間を超えることはありません。

あなたは正式な給料の少なくとも85%を得られるでしょう。もしそれが不足していると気づいたなら、やるべきことは一つです。

10. 賭け事は禁じられています

ベトナムでは政府が公認するカジノ以外での賭け事 は禁じられています。この法律を破ると罰金もしくは禁固刑が命ぜられます。公認のカジノへの入場は外国籍であればパスポートが必要になります。その資金をそれほど違法でない他のコトに使うこともできるでしょう。

11. ポルノの持ち込みは禁止です

ポルノの輸入・持ち込みは製造・販売・所持も含めて全て禁止です。この法律がどこまで及ぶのかはあなたの運にかかっていると言えますし、罰金や拘留期間などもそれぞれです。安全に行くのであれば、偽物のDVDを携えて歩き回るのはやめた方がいいでしょう。この法律の背景にあるのは、ポルノは伝統的なベトナムの価値観を妨害するという考え方です。

12. 骨董品の輸出は禁止です

ダナンに行けば、200年前の素晴らしい花瓶を見つけることができるでしょう。でも、それを故郷に持ち帰ることはできないのです。正確に言うと文化省から許可を得るまでは。許可を得ることなく骨董品を輸出するのは違法です。もしどうしても欲しければ、その担当省庁に話をすることと写真を撮って故郷の居間に飾ることです。

13. ベトナムでも違法ドラックはダメです

ベトナムでのドラック の使用はお気楽な風潮があります。近所でマリファナを吸う光景を目撃するのも珍しいことではないと思います。でも馬鹿なことしちゃだめです。ベトナムで違法ドラックは厳しく取り扱われます。

ベトナム刑法では、少量のヘロインを所持していただけで、死刑に科せられることもあり得ます。実際、ドラック売買で死刑や終身刑を科せられている外国人がいます。ベトナム当局は最近ドラック関連の規制に関して立場を強化しています。

14. 売春は違法です

多くの人たちにとってこれは驚きかもしれませんが、ベトナムで売春は違法です。夜中に客引きをする女性をみることがよくありますが–通常は男性の観光客向けですね – ときどきバイクに乗った中年男性がマッサージに行きたいか尋ねてくることもあるかもしれません。全て、違法で罰金が科せられます。

もっといえば、政府は特に未成年の売春を撲滅しようと力を入れています。簡単なことではないですが、少しずつ改善しています。

余談ですが、私はマッサージを勧誘してくるバイクドライバーには「私はゲイです」と言ってあしらうことにしています。

15. 妊娠休暇の権利

もし妊娠したら、最大6か月の妊娠休暇の権利があり、うち2か月は義務です。その期間は100%の給料を得ることができます。もし1人以上子供を同時に産むなら、1人につき1か月追加で休暇を取ることができます。

四つ子を産むことになったとしたら、1年は休暇が取れますね。

16. ドラック、兵器、中古車パーツ?も禁止です

国に持ち込むときに 禁止されているアイテム リストです。ポルノや薬物は言うまでもなく、いくつか他にも珍しいものがあります。

例えば、爆弾、弾薬、爆発物、軍事用品、反抗的かつ下劣な文化的な製品(ビール会社のロゴが描かれたTシャツを含む);花火;中古の消費財;中古の電化製品;環境破壊をする物;中古部品;使い捨て部品; 申告なしでの5000USドル以上の現金;子供の人間性・教育・社会ちづじょ・安全・平和に有害なおもちゃ。

しかし、持ち込みが許可されているものもあります。たばこは400本まで、葉巻は100本まで、たばこ葉は500グラムまで、お酒は22パーセント以上であれば1.5リットル、22パーセント以下であれば2リットルまで、なので悪くはないと思います。

17. 撮影は気を付けて

写真好きの方(もしくは写真を撮る方)は気を付けてください。軍事施設の写真もしくはその近くの写真を撮ることは禁止されています。カメラを没収されたり、職務質問をされたりするかもしれません。そもそもなぜ軍事施設の写真をとる必要があるのでしょうか。

もう一つすべきでないことはデモの様子を撮ることです。もし反政府主義のデモの写真を撮りに行くのであれば、自らトラブルに巻き込まれにいくようなものです。特に外国人であれば、強制送還させられることもあるでしょう。なのでデモの写真は撮らないようにしましょう。 

18. 出国する際に持ち出してはいけません

入国の際に持ち込めない物は理解できたと思いますが、出国の際に持ち出しできない物もあります。爆弾、弾薬、爆発物、軍事用品、骨董品、薬、毒薬、木、丸太、木材、全ての木材、腐敗物、野生または貴重な動物や植物、申告なしでの5000USドル以上の現金。

19. 法的に結婚できるのは…

男性は20歳で女性は18歳です。念のため。

20. 国境にはなるべく居座るな

さきほども触れたように軍事施設の近くにいることは許されない。これは国境近くでも同じです。もし国境近くの村や地区を訪れるなら、地元の警察に許可を得た方がいいです。また、写真付きのIDを携帯していることを確認してください。これは提案ではなく法律です。

これでベトナムで知っておくべき20の法律は完璧です。

ベトナムにおける日本人のための求人サイト

ベトナムにおける外国人駐在者に向けて求人情報を届けることを目的に、選りすぐりのウエブサイトとフェイスブックグループを集めました。ほとんどの求人サイトは日本語か英語なので、ご希望の仕事を容易に見つけることができるでしょう、

I- 日本人としての求人市場

近年、日本人をはじめ外国人にとってベトナムの都市部(ハノイ・ホーチミン)においては仕事を見つけることはそれほど難しくはないと言えます。専門職の求人などを中心に、日本人をターゲットとした求人も増えているので、よい条件の仕事を見つけることも容易にできることでしょう。

II- ベトナムの求人サイト上位5社

キャリアリンクベトナム 日本人向け求人サイト

キャリアリンクベトナムはベトナムでトップクラスの求人サイトであるキャリアリンクベトナムはホーチミン・ハノイ・ダナンの3カ所にオフィスがあります。優れたテクノロジー、ベトナム国内のパートナーネットワークと専門的な顧客サービスを基に、あなたに素晴らしい仕事を紹介してくれるでしょう。

キャリアリンクベトナムには200件以上の求人が掲載されています。

ベトナムワークス

VietnamWorksはベトナムではトップクラスかつ老舗の人材会社です。毎年59,000件以上の求人が掲載されます。これはベトナムのどの求人サイトも達成することのできないすごい数です。そのうえ、VietnamWorksは転職の方法について何千もの記事を掲載しています。

 LinkedIn.com

LinkedInは世界で最も大きいネット上にあるキャリアネットワークです。あなたは求人を探すこともできますし、求人を出した担当者に連絡をすることもできます。もしくは興味のある会社をフォローすることもできます。そこにあなたのプロフィールに経歴を掲載して、採用担当者にアピールするべきです。

Indeed.com

Indeedは世界のトップクラスの求人サイトとして、毎月28言語60か国2億人ものユーザーを集めています。もはや求職者にとっては必須のサイトと言えるでしょう。

2004年以来、Indeedは様々なウエブサイトや企業、経営者に無料で何百もの求人を影響してきました。Indeedは様々な分野における求職者を企業に繋げる役割を果たしています。

Expat.com

Expat.comは駐在者に様々な仕事や生活に関する情報を提供するサイトです。無料で駐在者に情報やアドバイスを提供しています。Expat.com 180万人以上の会員をもち、5か国語(英語、フランス語、スペイン語、イタリア語とポルトガル語)で運営しています。現在、ベトナムを含む197か国500以上の都市をカバーしています。

ベトナムにおける個人所得税

ベトナムで働く外国人にとって、個人所得税personal income tax (PIT)の適用を受けるということは、いくつもの規定を解釈することから始まる。すなわち、外国人はその適用範囲と節税の可能性を正確に見積もらないといけない。

ベトナム国内の税金に関する専門家に相談することは、個人個人の課税額を把握するのには役立つかもしれません。一方で、雇用主はよりよい条件で給料を提示できる可能性もあります。ベトナムにおける個人所得税の原則をご案内させていただいたうえで、所得税における免税や扶養家族の減税についてご説明させていただきます。(従業員としての報酬はPITの対象外です。)

在留資格と所得税債務

ベトナムの個人所得税法Law on Personal Income Tax は、所得を減税、税率とそれに関する例外に関して10種類にわけます。

税務上の居住者とは、ベトナムに入国してから暦年もしくは連続した12か月間に183日以上の滞在者を示します。

居住者は世界中で得た雇用所得から(支払われたかどうかに関わらず)累進税率で5パーセントから最大35パーセントの税金を払う必要があります。非居住者はベトナムでの所得のうち20パーセントの固定税率で支払いを行います。

一般的に、ベトナムでの毎月の給料には額面収入と必須となる社会保障が全て含まれています。所得税は社会保障費を除いたうえで、計算しないといけません。企業は従業員のために、前年の収入を基に年初に、所得税の最終報告を行います。

非課税所得

ベトナム税務局はPITから免除できるいくつかの所得に関して記述しています。

  • 1つの住宅または土地の所有者が移転に伴い得た収入
  • 銀行預金や生命保険から得た利益
  • 海外送金、退職金、奨学金
  • 慈善基金または保険金
  • 夜勤手当または残業手当
  • 政府または非政府の海外慈善団体から適切な組織の承認を得て人道的な目的で得た手当

納税者は課税収入から毎月US$388 (VND9,000,000)または毎年US$4,700 (VND108,000,000)控除することができます。毎月収入があるかどうかにかかわらず1年間の合計額は同じになります。

免税

ベトナムにおいて、外国人は雇用報酬として一部免税を受けることができます。免税に該当するのは以下の通りです:

  • 外国人としてベトナムに赴任する際の一時手当
  • 年一回一時帰国する際に雇用主から支払われる往復航空券代金
  • ベトナムにおいて雇用主によって支払われる駐在員の子供が通う一般教育費用および学費

加えて、ある条件を満たせば非課税として扱われます。

  • 課税対象となる全収入の15%を超える住宅費用(雇用主から支払われる住宅費用は除く)
  • 従業員に支払うための通勤費用
  • 社命もしくは従業員の仕事に関わるトレーニング費用
  • 雇用主が従業員に用意した場合の食事代金
  • ある程度の規則の範囲であれば、電話代金、文具、日当、作業着等を含む推定支出は、税金の対象にはなりません。

扶養家族に関する減税

それぞれの扶養家族に関する減税範囲は月間US$155 (VND 3,600,000)と定められています。扶養家族は18歳未満の子供もしくは18歳以上で月間US$21 (VND 500,000) 未満の収入の子供が対象となります。加えて、配偶者もしくは納税者の親で働いていないもしくは収入の少ない方も対象となります。

それぞれの扶養家族につき一人が申請できます。扶養手当は自動では付与されませんので、納税者は対象となる扶養家族を登録して、税務局に書類を提出する必要があります。

納税

従業員のために外資系企業Foreign invested enterprises (FIEs) は前年の収入を基に年初に、所得税の最終報告を行う必要があります。

もし従業員が複数の収入減をもち、自ら申告を行う場合、企業は要望に応じて税金控除を発行できます。駐在員のベトナムでの労働契約が年末になる前に失効してしまう場合は、帰国前に確定申告が必要になります。

納税者は現金または口座振替のいずれかの方法で税務署に支払います。納税者は役所からのバウチャーを受け取ることにより、直接現金で税務署に支払うことができます。もしくは税務署の銀行口座に直接送金することもできます。税金の支払期限は確定申告の期限と同じ年末から数えて90日前までになります。

課税所得の振替

課税所得を外貨で受け取る場合、収入を得た日時でのベトナム国家銀行が発行する銀行間取引外貨為替レートにおけるベトナムドンを適用します。

ベトナムでの労働許可を得るには

外国人にも応募することができる職種がありますが、選ばれるためにはいくつかの条件を満たさないといけません。

ベトナム経済の自由化はベトナム進出を目論む企業にとっては好ましい状況をつくりました。その結果として、外国人がベトナムで働くチャンスも増えています。

これまでベトナム政府は経済発展と社会保障を支える法的制度を(特に外国人に対して)整えてきました。Decree no. 11/2016/ND-CP and the guidance Circular no. 40/2016/TT-LDTBXH が可決され、労働許可申請に必要な項目を刷新しました。

ベトナムで労働許可を得るのに知っておくべき事柄

外国人が労働許可を得るのに応募可能な種類

  • 専門家
  • 管理職managers and executive directors
  • インターン
  • 短期契約社員

専門家は諸外国の組織で何かしらの認定を得る必要があります。学士号以上、3年以上の特殊領域での経験; 応募先となるポジションにふさわしい社会人経験

ベトナム企業法 Law of Enterprisesによると、管理職は 民間企業の所有者、経営者、役員、社長、会長、取締役、部長または会社設立時に応じてそれにふさわしい地位を所持するとあります。

管理職は組織の長またはそれに準ずる地位を指します。

部長とは組織や企業の一部において責任者となる地位を指します。

外国籍の学生はベトナムにある代理店、組織または企業から署名されたインターンシップ契約書が必要です。

管理職、役員、駐在員または技術者として30日以内であれば別の種類で外国人としてベトナム入国を申請できます。しかし、1年間での総労働期間を90日を超えることができません。

ベトナムで労働許可を取得するための必要事項

外国人として労働許可を得るには、犯罪履歴あるもしくはそれに準ずるベトナムもしくは諸外国法に基づいて起訴された状態にあってはいけません。

パスポートコピーは申請者の出身国の機関によって発行されたものである必要があります。申請書類の中に、企業からの事前承認書類を含める必要はありませんが、ベトナム雇用者は規定に基づいて報告する必要があります。

もし以前に労働許可を得たことがあったのならば、特殊なケースとして認められることがあります。その場合、移民局は以前の記録を照会することにより2回目/3回目の書類作成をすることができるので、大幅に時間短縮をすることができます。

申請手順

ベトナムで労働許可を得るには次の順番で行います。

1. ベトナムでの雇用者から職位を示す証明書を発行してもらいます。

2. 3枚のパスポート用写真を準備します。

3. 出身国またはベトナムの病院から健康診断証明書を発行してもらいます。

4. 出身国で犯罪経歴証明書を発行してもらいます。

5. ベトナム労働局に申請書類と一緒に全ての必要書類を提出します。

間違ったやり方とは?

ベトナム政府は労働許可のない、もしくは期限切れの外国人を強制退去させてます。

もし雇用者が報告を怠ったり十分でない場合、監督責任として500万ベトナムドンから1000万ベトナムドンの罰金が科せられます。

もし雇用者が労働許可のない、期限切れ、もしくは例外的に労働許可を得ることもなく外国人を働かせた場合、雇用者は次の罰金が科せられます。

• 10人までの外国人労働者につき3000万ベトナムドンから4500万ベトナムドン

• 11人以上20人までの外国人労働者につき4500万ベトナムドンから6000万ベトナムドン

• 21人以上の外国人労働者につき6000万ベトナムドンから7500万ベトナムドン

雇用者は重要な違反を犯した場合、最大3か月間営業停止させられることもあります。

ベトナムで家や土地を買うには?

ベトナムに住む 外国人は移住する際に家を買う必要があるかもしれません。ベトナムの法律によると土地は自然の恵みですので、所有できるのはそこに建設された建物だけであり、土地は購入できません。最大50年間まで、「その土地を利用する権利」を得ることは可能です。この期間は更新されるかもしれません。ベトナム国籍もしくは海外に住むベトナム人と結婚すれば、ベトナム国籍と同じ権利を得ることができます。真剣に物件購入を検討するなら専門家の意見を聞いた方がいいかもしれません。

ベトナム住宅法によると、パスポートにベトナム査証証書を持つ全ての外国人はベトナムでの物件購入が可能です。しかし、外交官や免疫検査官、特権階級には例外が適用されます。

個人に加えて、外国の会社、支店、本社、証券、投資銀行なども同様に住居目的で物件を購入することができます。

ベトナムでの住居物件における外国人の権利の制限

法律によると外国人または外国企業は商業地区だけでのみ物件を購入、受領、居住することができ、それ以外のところでは禁止されています。

外国人一人につき1物件という制限は撤廃されましたが、新しい住宅法は、一定の地域における外国人の割合を制限しています。全ての外国人購買者の所有を一つのマンションで30%を超えないようにすることまたは1区画で250軒を超えないようにすることとあります。

物件の所有期間は土地の所有期間と通常は同じです(通常は延長できる場合もありますが、50年)。延長に関する規定はまだ明確ではありませんが、順次詳細化されることでしょう。

駐在員は違法でない限りは賃貸することもできますが、賃貸に出す前に不動産業者に通知しなくてはいけません。この場合、ベトナムでの所得税の対象になります。もしベトナム国籍または外国にいるベトナム人と結婚しているなら、その土地の自由保有権を有します。

もし物件を購入するなら、もちろんそこに住むということもできますが、他の誰かに貸すというのも難しくはありません。もし貸し出すのであれば、物件のある当該役所から許可を得る必要があります。

海外の投資会社はベトナムの住居物件を購入できますか。

ベトナムで規定に基づいて海外の(不動産会社ではなく)投資会社として営業する会社は、従業員のために住居を購入することができます。彼らは、ベトナムの政府機関によって定められた法律に基づいて投資証明もしくは投資に関する営利活動を認める書面を所持しておく必要があります。彼らは従業員のために住居を購入することができますが、決して賃貸や他の目的のためにそれらを使うことはできません。

ベトナムで家を購入するための順序

1. 物件を選ぶ際に、予約契約に署名が必要

購入者と販売者を結びつける契約手続きであり、販売者に予約金を支払うことが含まれるかもしれません。予約金を払う前に契約書をよくみてください。もし気が変われば、その予約金を失うことになります。逆に売り主の気が変われば2倍支払われます。ご自身を守るためにもこの書類には注意してください。

2. 注意義務とは次のステップです

まずはIDや登録書をみせてもらい販売業者の信用性を確認します。もしくは銀行の保証や保険をみせてもらい、信用に足りるかどうか判断してください。

3. 両社により注意義務が満たされるなら、契約書に署名することにより完了します。

アパートの施設に関する記載事項を用意してもらった方がよいでしょう。契約書は関連する人々に署名してもらう必要があります。それが不可能であれば委任された代表者にしてもらいましょう。物件売買の契約書はベトナム語でなくてはならないので、内容を確認するためにも翻訳者が必要になるでしょう。多くの不動産業者は多言語で準備してくれるでしょうけど、正式な書類はベトナム語でなくてはいけません。契約に関する面倒を避けるために、契約する前に確認しておくべきことをまとめておきます。

– 販売者はアパートの所有権を持っており、その所有権の移転を保証していますか。
– アパートはローンの担保となっていますか。 
– 販売者の責任とはアパートの所有権をめぐる紛争に関して、どこまでの責任を取りますか。
– 支払方法
– 税金や料金に関する責任
– 移行時期

4. 税金や料金の支払い

通常、関係者での合意がないのであれば、購入者が登録費用を払い、販売者が所得税を払います。物件のある所轄の税務署で支払いを行います。

5. 所有権証明

両者は新しい契約の中で保険をどのように扱うか同意を得る必要があります。通常は購入者が決定する内容になります。

ベトナムビザの必要書類と申請方法

新たな体験を求める人にとって、ベトナムは最適な場所です。新たな体験を求める人にとって、ベトナムは最適な場所です。灼熱の太陽とおいしいお食事、それに活気のある文化をもつベトナムは夢のような行先です。出発前にベトナムビザ必要項目に関して確認しておきましょう。この記事ではその方法に関してご案内します。

ベトナムに行くのにビザは必要ですか。

ほとんどの訪問者にとってビザは必要になります。多くのアフリカの国々とアジアの一部(日本も含む)はビザ免除になることがあります。

他の国に訪問する際は通常、ビザを取得する必要があります。ある国では事前にビザ申請を必要としますが、ほかの国では到着時に申請を必要とする場合もあります。ベトナムビザはその両方に該当します。訪問者は事前にビザ取得承認レターを申請したうえで、ベトナム到着時にビザスタンプを取得します。ビザ取得承認レターはオンラインで申請・取得可能です。

オンラインビザ申請方法

ベトナムに訪問するにあたりビザ申請方法をよりわかりやすくご案内しましょう。

オンライン申請は素早くかつ簡単ですし、熟練したスタッフにサポートを受けることもできます。私たちは皆様にベトナム入国時にビザを取得することをお薦めします。ベトナムにある国際空港であればどこでも簡単に便利に手続きできます。事前に以下のオンライン申請だけ済ませておけば、ベトナム入国時にビザスタンプを取得できます。

オンラインビザ申請のための4段階:

STEP 1

オンラインフォームに必要事項を登録

STEP 2

確認と支払

STEP 3

ビザ取得承認レターを取得と印刷

STEP 4

ベトナム国際空港での入国時にビザスタンプを取得

STEP 1

オンラインフォームに必要事項を登録

ベトナム入国時に提示することになる承認レターを取得するために必要な項目になります。オンラインフォームには名前/パスポート番号/生年月日/国籍/性別/到着日を登録します。また、支払は主要なクレジットカードで行います:ビザ、マスターカードまたはアメリカン・エクスプレス

STEP 2

確認と支払

Vietnam visa fees ベトナムビザ申請費用は比較的低価格です。ビザ承認レターを取得するために、オンラインで費用(ビザ種類や訪問回数などにより17ドル~)を支払います。入国時にビザスタンプを取得する際に、再度支払いが必要になります。こちらについては1回の訪問で25ドル、複数の訪問については50ドルになります。入国時は現金で支払う必要がありますので、ベトナムに行く前にベトナムドンかUSドルを準備しておく必要があります。

パスポートにはビザスタンプを押すための十分な余白があることを確認しておいてください。また、パスポート有効期限がベトナム到着時に6か月以上ある必要があります。もし有効期限が切れそうであれば、更新の手続きを行っておいてください。

STEP 3

ビザ取得承認レターを取得と印刷

申請と支払が完了すれば、手続きに進みます。オンラインで承認レターの申請を行ったのであれば、通常2営業日以内にemailで承認レターを受け取ることができます。承認レターを受け取った際には、できればカラーで印刷をしておいてください。その印刷した承認レターをパスポートと一緒に保管しておくといいでしょう。そうすれば、ベトナムでの空港到着時に慌てることもないでしょう。そして、パスポート用写真(4cm x 6cm)を2枚用意しておきましょう。

STEP 4

ベトナム国際空港での入国時にビザスタンプを取得

ベトナムの4つある国際空港のいずれかに到着した時、ビザスタンプを取得します。ハノイ/ダナン/ホーチミン/ニャチャンのいずれかに到着して出入国カードを記入します(空港到着時もしくはウエブサイトからダウンロードできます。)。その際に、承認レター/パスポート/写真/支払いのための現金を提出して、パスポートにビザスタンプを押してもらいます。

空港内では案内に従って移動してください。ベトナムがあなたのことをお待ちしています。

旅行者は各国のベトナム大使館を通してビザ申請することもできます。大使館での申請に関しては大使館に直接お問い合わせくださいませ。

ベトナムで外国人はなぜ地元の人達より稼がなくてはいけないのか。

ここでは賃金格差とその背景となる理由について説明します。

ベトナムでは事実として、給料の話になることがあります。他の人が生活費にどれくらい使っているかは知りませんが、どれくらい稼いで、会社から休暇を与えられているかは知っています。

ときにはあなたが何をしているかよりもどんな人であるかが重要で、給料は同じ仕事をしていたとしてもどんな資質を持っているかで2倍も変わることがあります。

しかし、同じことがベトナム人と駐在員との給与体系の違いに当てはまるわけではありません。実際、特定の産業において高給となる仕事は外国籍に与えられるうえに、ベトナム人と同じような仕事をしてより高い給料を得ている外国人もいます。従業員にとっては疑問に思えることでしょう。

国際問題?

昨年、ESRCによる調査がガーディアン紙で発表されました。それによると発展途上国における人道支援や開発援助に関わる国際スタッフの給料はそれに関わる教育や研修なども含めると地元の人達と比べて合計では4倍以上もするということです。

同様に、ECA International(Employment Conditions Abroad)によって最近発行された年次調査によると、シンガポールにおける駐在費用は、アジア諸国でもっとも高く、通常の給料に加えて、税金や住居、インターナショナルスクール、施設、車なども含めると1年間でS$316,600 ($235,425)もかかるといいます。世界銀行の調べでは、シンガポールの平均年収は$51,880なので4.5倍近くかかるということになります。

しかし、ベトナムにおける実例に関しては、あまり知られていないように思えます。

おそらく現在まで、賃金格差は問題として取り扱われてこなかったからかもしれません。

今年の初めにオックスファムは、性別、民族、地域など、ベトナムにおけるあらゆる不平等を記載した調査を発表しました。しかし、そこにも駐在員と地元民の収入格差を示すデータはありませんでした。

2016年に発行されたHSBCの駐在員に関する調査が、ベトナムにおける給料に関して調べた数少ない資料のうちの一つですが、駐在員と地元民との給料格差に関して批判的に焦点が当てられているとはいえません。実際、HSBCは駐在員に優しい国として、東南アジアの中でシンガポールの次にベトナムを世界で19番目として挙げています。

HSBCの調べによると、ベトナムの駐在員は平均年収が$103,000 となり、昨年世界銀行の調べにより$2,200であったベトナム人の平均年収の50倍にもなります。今年1月に、ベトナムの労務相は、ベトナムの駐在員が2004年から6倍の12,600 人から 80,000人以上に増えていると発表しています。

これらのことを考慮すると、一般的に東南アジア、特にベトナムが、駐在員が出世していくための場所であり、地元民と外国人との格差は広がっていくように思えます。南国での6倍の給料って誰の経費なのでしょうか。

その差はどのように機能しているのか。

ベトナムにおける外国人とベトナム人の給料や雇用の格差は教区業界で最も顕著です。

ベトナムにおける急激な経済成長を顧みて、留学をするベトナム人も増えてきましたが、ホーチミンやサイゴンのような大都市では何千もの英語語学学校が若者の需要に対応するために、ここ10年の間に軒並み増えています。ハノイのNGOで働いている26歳のスコットランド人、ブリクサがベトナムで得た最初の2つの仕事は語学学校で働く英語教師でした。彼のインターンシップとしての給料は、ビザや住居、旅費などもすべて含めて月収600万ドン($264)でした。のちに月収1000万ドン($440)まで昇給しました。

そのときまでに彼は教師として正社員の職を得た際は、6か月目にして40分の授業で$28、月収にして3000万ドン($1,319)を得るようになりました。

ゴク・トランは、ブリクサと同じ語学学校で補助教師として2年間働いています。彼女の給料は1クラスで53,500ドン ($2.35) であり、外国人教師の12分の1です。ゴクの日々の仕事は、管理、出席確認、評価、外国教師や生徒の補助、急に授業を頼まれることもあります。彼女は月収で500万ドン ($219)ほど稼いではいますが、それでもブリクサのインターンをしていた頃よりも少ないです。

ブリクサは次のように言います。「外国教師はベトナム教師に面倒くさい仕事ばっかりさせます。教室の管理であったり、採点であったり。時には1週間で60クラスの採点をしなくてはいけません。一方で、外国人教師は授業中に仕事をするだけです。」

しかし、給料の違いは教育業界だけではありません。実際は、技術職から開発、経営層やコンサルタントにも及びます。

アン・トランは、情報サービスに属する外資系企業のSGHアジア社で人事マネージャーとして働いています。彼女によると外資系企業でも給料格差は一般的であると言います。

これに加えて、駐在員であれば雇用時に与えられる住宅費用、航空券、国内旅行、保険、インターナショナルスクールの学費などの福利厚生があります。

アンは「ときどき効率のことを考えると不平等に思えます。だってベトナム人でも外国人でも同じことでも駐在員であれば多くの給料をもらえます。」と言います。「私のように人事にいれば、誰でもわかっていることですが、私たちにできることは何もありません。」

扱いの違いは採用時から始まっています。ベトナムで人材が不足していなかったとしても外国人であればある程度の仕事をみつけることができます。

ハノイの転職フォーラムに行けば、英語が母国語となる外国人を対象に月収$1,000 から $2,000くらいでたくさんの広告をみつけることができます。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが含まれます。

ゴクによれば、母国語話者であれば、通常は教授方法についての大学学位が必要だと思われるが、外国人教師はオンラインで得られるTEFL (外国語として英語教授) または TESOL (外国語話者に対する英語教授)の資格を得ればできます。

ブリクサの多くの友達は、ベトナムに住む外国人教師ですが、教育に関する資格や経験はありません。

原因は政治関係やそれ以上の事柄を含みます。

ベトナム人の経営者ですらベトナム人より外国籍の方に多くの給料を払っている理由がわかりません。ある産業では、需要と供給の関係に基づいているかもしれません。例えば、教育業界であれば、親が子に、アジア人の英語話者よりも白人に英語を習わせたい、という現実的な需要があるとブリクサは言います。

一方で、技術職であれば、アンは信用の問題だと言います。彼女の会社はドイツからの100%の資本であるので、ドイツ語話者がより信用される傾向があります。

「技術面において、海外とのやり取りを必要とする駐在員の職務があります。駐在員は一定のコミュニケーションルールの元で働くので、貴重だといえます。」とアンは付け加えました。「しかし、外国人であればより信用できるし、技術があると思われる節が特に営業職ではあります。世界で共通の人種問題であると言えます。」

高給取りが成り立つ一方で、他国に仕事のために移り住む際には「生贄」となる人もいます。そのような差別は、時に暗黙の了解にも思えます。

通常であれば、両者は同じ国に住んでいるというのに、外国人の専門職は出身国との比較の中で給料は支払われる一方で、ベトナム人はベトナムの給料体系の中で支払われます。争いはそこから生まれるのです。 

とはいえ、その違いに気づいているベトナム人は、その問題に対して忠告すると職を失う恐れがあるので、通常は何も言いません。

「ベトナム人の先生は給料の違いに気づいていることは間違えありませんが、私に対して直接不満を聞いたことがありません。」とブリクサは言います。

彼自身がベトナム人の主任と差別的な扱いについて抗議したことはありますが、誰もそうしようとする人はいません。「ベトナム人の先生に支援してくれる労働団体などはいません。」

「でもベトナム人より外国人の方が理解があるというのは非常に心地が悪いです。」とブリクサは加えました。

給料の違いは両者から検討しないといけません。主張、困惑、縮小、指摘などなどされたとしても、雇用主や社会からの批判的な反応がない限り、給料格差に関する溝は埋まりません。

ベトナムにおける給料格差の問題はあまり取り扱われていませんが、いまだに公共の場面でも私的な場面でも確かに存在します。なぜそんなに違った扱いが生じるのでしょうか。ある人は国籍だけで他の人よりも特権を持るのはどうしてでしょうか。

おそらく再度、話し合われるべきでしょう。

ベトナムで働くこと

ベトナムで3か月以上仕事をするなら、商用ビザが必要です。そのうえで、長期の就労ビザを申請することになるでしょう。この記事ではこの国における就労するためのプロセスを簡潔にご案内します。

申請方法

商用ビザprofessional or business visaを得るには、ベトナムにパートナーがいることが好まれます。パートナーとは出資者のことで特には雇用主を指します。雇用主はそれがベトナムの人たちでは満たすことができない特殊な技能を必要とする職種であることを政府機関に示すことによって、初めて外国人を雇用することができます。

あなたのパスポート番号や有効期限を含む個人情報や渡航目的、滞在期間や入国回数などを提供することによって、雇用主は申請を進めることができます。

この段階を通して、ベトナム政府より認められた許可書を受け取ることができるでしょう。そしてその入国許可書と共に2種類の正式な申請書類、パスポート写真とを提出します。

 確認事項:

もしビジネスパートナー、雇用主や出資者などがいない場合、観光ビザで入国して出資者を見つけてから商用ビザに切り替えるという方法もあります。

就労許可

ベトナム政府によって示された条件を満たすことができれば就労許可を得ることができます。その国に到着したらそれを得ることができます。その条件を満たすには、18歳以上で、健康状態もよく、犯罪歴を持たないことが必要です。加えて、会社で特殊技能を持つ(例えば)マネージャーや役員などの役職に就いている必要があります。

確認事項:

就労期間は雇用契約の期間に準じます。しかし、最大36か月と定められています。

仕事探し

仕事を探すには キャリアリンクベトナムのような求人情報サイトなどのオンラインで探すか、代理店を通して探してもらいます。その国に友達や親戚がいるなら、聞いてみてください。地域により様々な産業の需要があることがわかるでしょう。以下の記事にも記載があるので探してみましょう。

ベトナムで日本語教師として働くには

日本語教師として働き始めた頃に、ベトナムに行くことになり、私はそれ以来この国のことが大好きになってしまいました。避けることのできないその南国的な熱さ!それにとどまることのないバイク渋滞!初めのころこそ、うんざりしていたけれど、やがてそれがこの国を支える屋台骨であることに気づくのです。

私はベトナムで教師として働いていますが、ホーチミンに住んでいます。新鮮な食べ物や屋外にある市場、そこにいる人々を観察することなどが趣味です。私の生徒たちは皆やさしく、面白く、勤勉です。同僚も親切にしてくれます。

私は一年経ったとき、旅を続けるためベトナムから離れることになりました。私は何か国か他の国でも教師をして、日本に帰国することになりました。それでもベトナムでの思い出を忘れることができず、最終的にもう一年ベトナムに日本語教師として滞在することに決めました。私は、再びホーチミンで暮らし始めましたが、都市の様子は一変していました。ワインバー、スーパーマーケットや本屋さんが立ち並んでおり、手ごろな価格でおいしい寿司屋さんなんてそこら中にあります。

もっとも特筆する点としては、日本語教師の募集はたくさん増えて、逆に選ぶのが大変になったということです。それはちょっと前のことにはなりますが、経済はそれ以来もう少し発展しています。そんな状況の中で最適な職を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。

そこでベトナムで日本語教師として働くには、いくつか方法がありますのでそれを共有させていただきます。

なぜベトナムで日本語教師が人気なのでしょうか?

最近ベトナム文部省は国内の学生を優れた日本語能力をもって卒業させようという目標を立てました。卒業した学生たちはその能力を使って、盛況な観光業や国中にある国際的な企業で働きだしたのです。

文部省とともに経済成長は子供の日本語教育に熱心な中流階級を生み出しました。すなわち政府から家庭に至るまで、語学習得の波がやってきたのです。 大都市でも小さな町でも様々なレベルの『みんなの日本語』を使って日本語教育が盛んにおこなわれ、語学学校を次々に設立していきました。ベトナムにはこうした流れの中、日本語教育の強い需要が存在します。

教師になれば低価格で住むことも、ある程度の高い給料を望むことも可能です。どこの都市で働くことになったとしても、そこまで大きな国ではないので休日に他の都市に旅行に行くにしても困ることはないでしょう。近年、観光業がものすごい勢いで成長しています。ベトナムは観光客が移動しやすいように整備されることにより、さらに成長していくことでしょう。団体ツアーであろうと個人旅行であろうと、格安ホテルでも高級ホテルでも、ここではあらゆる種類の観光が体験できます。

私の経験から話しますと、ベトナムで日本語教師になって一番よかったのは、一人の教育者として携われたことです。“国際教育の日(通称 先生の日)”には生徒から直接感謝され、贈り物をいただくこともありました。ベトナム人の同僚は親切にしてくれるだけでなく、教育者としてのプライドを示してくれることもあります。

日本語学校も大学も学校の始まる8月や9月に向けて教師を割り当てます。しかし、学期の途中で新たに教師が必要になることもありますので年中、募集に向けて目を光らせておく必要があります。

ベトナムのどこで仕事を探せばよいでしょうか?

キャリアリンクベトナムなどの人材紹介会社への登録から初めてみましょう。ここには様々な求人、それに基づく必要な資格や福利厚生などが掲示されています。もし大学での仕事を探しているのであれば、大学教員の仕事に特化したサイトで探してみるのもいいでしょう。日本語教育を行っている大学のホームページには個別に求人が掲載されていることがあります。

教師として勤めるのであればFacebook groupsも役立つでしょう。少し探してみればたくさんのグループをみつけることができるでしょう。

もし個人指導に興味があるのでしたら、多くの外国人も日本語会話に興味を持っていることを忘れてはいけません。ハノイやホーチミンにはたくさんの外国人が駐在しています。一度、そこを訪れれば国際色豊かなコミュニティがあり、日本語レッスンの告知をすることもできるでしょう。

ベトナムでの日本語教育機関の種類

もっとも需要の多いのが、私立の日本語学校です。インターネットで調べればたくさんの求人があるのがわかります。多くの語学学校は、様々なクラスを提供することにより差別化を図ります。

一般的な日本語を教える一方で、あなたは特定の目的に応じて日本語を教えることができるかどうか求められるでしょう。その場合、日本語の試験準備コース(JLPTなど)が最も人気があります。ビジネス日本語や日本のマナー講座(礼儀作法)も人気があります。(実際、私は技能実習生向けの日本語とマナーを教えたことがあります。)事前に礼儀作法の知識があったかって?もちろんございません。でも、それは私たちにとっての学びの機会でもあります。日本語としての言葉が存在する限り、それを教えるように依頼される場合もあるかもしれません。

ベトナムでは日本語で運営している大学は少ないです。修士課程を持っていることが好ましいですが、日本語教育の経験により(大学卒業資格があれば)採用されることもあります。

若い人を教えた経験があれば、公立学校で教える機会もあることでしょう。

ベトナムで日本語教師として働ける場所

1 大学などの高等機関
2 小学校や中学校
3 幼稚園や保育園
4 日本語学校
5 技能実習生送り出し機関
6 一般企業
7 塾・予備校

ベトナム日本語教師.com

日本語教師としての契約に関して追加事項

高等教育において例外はありますが、通常ベトナムの雇用者が航空券費用や住居費用を賄ってくれることはありません。とはいえ、多くの学校は就労許可を得るための費用は払ってくれます。

教えるために必要となる時間は様々です。フルタイムで働くとなると週に15から25時間くらいになるでしょう。もちろん契約時間以外に、授業計画、評価など管理業務が必要にはなるでしょう。契約前にどれくらい時間外に費やす必要があるか確認した方がよいでしょう。休日の日数なども確認してください。

住宅費用は比較的安いと思います。大都市になれば賃料は高くなりますが、給料も上がるはずです。時給1000円から1500円くらいとして月に10万円から15万円くらいは得られるのではないでしょうか(ほとんどが月給制です)。借金さえなければ、どこへ行ってもよい暮らしができると思います。

ベトナムは長らく辛い日々が続きましたが、とても美しい国です。幸運なことに今は上り調子でありますし、楽観的なムードが国中に漂っています。もしベトナムで日本語教師として働くなら、私がなぜこの国をこんなに好きになったのかわかることでしょう。そしてあなたもきっと好きになるはずです。